ESGの取り組みが「やっている」状態と、「続いている」状態は、まったく別物です。
私たちは、この違いをとても重く見ています。
なぜなら、現場で続かないESGには、実質的な意味がないからです。
どれだけ立派な方針を掲げても、
どれだけ整った資料を用意しても、
現場で使われなくなった瞬間に、それはESGではなくなります。
この記事では、なぜESGが形骸化してしまうのか。
そして、私たちが「続くこと」を最優先に考えている理由を整理します。
ESGが形骸化する瞬間は、驚くほど似ている
ESGが現場から消えていく過程には、共通点があります。
- 最初は熱量が高い
- 説明会や資料が増える
- 一部の担当者だけが理解している
- 現場は「言われたこと」をやるだけになる
この状態になると、ESGは運用ではなくイベントになります。
やる理由はこう変わります。
「決まっているから」
「報告が必要だから」
「やらないと指摘されるから」
ここまで来ると、ESGはすでに判断の軸ではありません。
作業の一つになっています。
続かないESGは、現場に負債を残す
続かないESGの一番の問題は、
「何も残らない」ことではありません。
疲労と不信感だけが残ることです。
- また新しいことが始まった
- どうせそのうち終わる
- 本業が後回しになる
こうした感覚が現場に広がると、
次に本当に必要な取り組みを始めるとき、誰も前向きになりません。
ESGが嫌われる最大の理由は、
「続かなかった過去」があることです。
「正しい」だけでは、続かない
ESGが続かない理由を聞くと、
「現場の理解が足りない」
「意識が低い」
といった説明がされがちです。
しかし、それは違います。
続かない理由は、ほとんどの場合こうです。
正しいが、現実的ではない。
- 手間が増えすぎる
- 判断が遅くなる
- 誰の仕事か分からない
- 本業との関係が見えない
どれだけ正しくても、
日々の業務と噛み合わなければ、必ず止まります。
ESGは理念ではなく、運用です。
運用に耐えないものは、続きません。
「続ける前提」で考えていないESGは危険
私たちは、ESGの取り組みを考えるとき、
必ず最初にこの問いを置きます。
「これ、3年後も同じ形でやれているか?」
この問いに即答できないものは、基本的にやりません。
- 担当者が変わったら終わる
- 予算が削られたら止まる
- 忙しくなったら省略される
こうした前提の取り組みは、最初から「続かないESG」です。
続くESGは「意識しなくても回っている」
続いているESGには、ある特徴があります。
それは、ESGとして意識されていないことです。
- 特別な会議がない
- 特別な報告がない
- 特別なルールがない
ただ、いつもの判断の中に組み込まれている。
「このやり方、無理が出ないか?」
「後で説明できるか?」
「毎回同じ品質でできるか?」
この問いが自然に出てくる状態。
これが、続くESGです。
現場は「増えること」に敏感だ
現場がESGを嫌う理由は、環境や社会に関心がないからではありません。
仕事が増えることに敏感なだけです。
- チェック項目が増える
- 書類が増える
- 判断のステップが増える
これが見えた瞬間、ESGは警戒されます。
だから私たちは、
ESGで「何かを足す」より、
何を減らせるかを先に考えます。
- 無駄な作業を減らせないか
- 危険な工程を減らせないか
- 判断の迷いを減らせないか
ESGは、負担ではなく整理であるべきです。
続かせるために、あえて「やらない」
私たちが大切にしているのは、
全部やらないことです。
ESGに関係しそうなことを全部拾えば、
現場は必ず破綻します。
だから
- 今の事業に直結しない
- 現場で回らない
- 説明コストが高すぎる
こうしたものは、最初からやりません。
やらないことを決める。
それも、ESGの重要な判断です。
ESGは「評価されるため」に続けるものではない
評価を目的にしたESGは、
評価されなくなった瞬間に終わります。
私たちは、評価をゴールにしていません。
- 事故が減る
- 無駄が減る
- 判断が早くなる
この結果が出ていれば、十分です。
評価は後から付いてくるもの。
先に狙うものではありません。
続かないESGは、最初から入れない
私たちは、ESGを「頑張って続けるもの」だとは考えていません。
頑張らないと続かないなら、
その時点で設計が間違っています。
- 意識しなくても回る
- 説明しなくても伝わる
- 特別扱いしなくていい
この条件を満たさないESGは、
最初から現場に入れません。
続かないESGは、やらないほうがいい
ESGは、続いて初めて意味を持ちます。
続かないESGは、やらないほうが現場に優しい。
私たちは
立派に見えるESGより
静かに続くESGを選びます。
それが、結果として
環境にも
社会にも
経営にも
一番効くと信じているからです。
