今回ご紹介するのは、トヨタ CH-R の保険修理。
損傷が大きく、骨格(フレーム)まで歪みが出ていたケースで、作業内容としては“重整備”の分類になります。
特にこの車種の赤(スパークリングメタリック系)は、国産車の中でもトップクラスに色合わせが難しいカラー。
骨格の修正精度と、最終的な塗装仕上げの美しさが問われる案件です。
この記事では、実際の修理工程を写真とともに紹介します。
フレーム(骨格)からの修理|まずは基準値に戻すこと
今回の損傷では、外装パネルだけでなく主要骨格が押されて変形していました。

骨格修正には CELETTE(セレット)フレーム修正機 を使用。
この設備はミリ単位で基準値を出せるため、メーカー指定の寸法を正確に再現できます。
- 走行中の直進安定性
- 衝突安全性
- 足回りのジオメトリ
- 最終的な外装パネルのフィッティング
すべてに影響が出ます。
そのため、最初のこの工程が最重要ポイント。
パネル調整・溶接・仮合わせの繰り返し
骨格を基準値に戻した後は、新品パネルや交換部を「仮合わせ→調整→溶接」 の流れで組んでいきます。

溶接前に隣接パネルとのすき間、ラインの流れを確認し、数ミリ単位で調整。
ここを曖昧にすると以下のような問題も発生の可能性があります。
- ドアとフェンダーのラインがずれる
- バンパーのチリが合わない
- 光が当たったときの影が歪む
など、仕上がりに大きな差が出ます。
良い板金は「下準備」で決まる、とよく言われますが、まさにこの工程がその核心です。
下地処理と塗装前の準備
パネルごとに形状を整えた後、ウレタンのプラサフ「ROCK PAINTのネクストステージ」を塗布し、下地をフラット+接着UP状態へと整えます。
この下地の平滑性で最終のツヤが決まるため、丁寧に研いで塗装準備を整えていきます。
今回は赤で染まりにくいので事前処理をしっかり行います。

とにかく難しかった「赤の色合わせ」
CH-Rの赤(スパークリングメタリック系)は
- ベースの色
- メタリック粒子の反射角
- キャンディ層の濃度
- クリアの厚み
これらによって仕上がりが大きく変わる“職人泣かせ”のカラーです。
新品パネルと既存パネルでは反射が違うため、ただ色を作るだけでは絶対に合いません。
そのため、以下の点を特に注意しながらの作業となります。
- フロントフェンダー
- ドア
- ピラー
- ボンネット
といった 隣接パネルに「ぼかし塗装」 を行い、光の流れを自然に整える工法を採用しました。
特に赤系は、光源の違いで見え方が変わるため、太陽光・ブース光・LED光のすべてで確認しながら調整します。


ライン・ツヤ・発色の確認
塗装後はしっかりと乾燥させ、
ポリッシングで肌を整えていきます。
最終チェックでは
・ラインが一直線に通っているか
・反射の歪みがないか
・色の濃淡が自然か
・隣接パネルと違和感がないか
を細かく確認し、問題がないことを確認して納車準備に入ります。
どこを直したのかわからない仕上がりへ
骨格からの大きな修理でしたが、
新車同等のラインとツヤを再現 できました。
赤系カラーは調色とぼかしの難易度が高いですが、
設備・経験・技術があれば、ここまで自然な仕上がりに復元できます。


今回のCH-Rの修理は
- 骨格の変形
- 多数パネル交換
- 高難度カラーの塗装
という難易度の高い案件でした。
しかし、“フレーム修正 × 職人の精度 × 設備 × 手間を惜しまない工程”
によって、無事に新車同様の仕上がりに戻すことができました。
保険修理・実費修理を問わず、「安全性」「仕上がり」「長く乗れること」を最優先に対応しています。
CH-Rのような難しいカラーでも対応可能ですので、お気軽にご相談ください。
